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マ行
用語 | 読み方 | 意 味 | 対応英語 |
マグネサイト(菱苦土鉱) | まぐねさいと(りょうくどこう) | 炭酸マグネシウム(MgCO3)を主成分とする鉱物。焼成し,マグネシアクリンカーとして塩基性耐火物の原料とする。 | magnesite |
マグネシア(苦土) | まぐねしあ(くど) | 酸化マグネシウム(MgO)のことで,鉱物名はペリクレース。耐火物,触媒,吸着材,医薬品原料として用いられ,代表的な塩基性耐火物材質である。 | magnesia |
マグネシア・カーボン質耐火物 | まぐねしあ・かーぼんしつたいかぶつ | 焼結や電融マグネシアと数~数十mass%の黒鉛を主原料とした耐火物。「マグカーボン」と略称される。 主に転炉,電気炉,二次精錬炉などに用いられる。 | magnesia-carbon refractories |
マグネシアクリンカー | まぐねしあくりんかー | マグネシア(MgO)を主成分とするクリンカーで代表的な塩基性耐火物原料。 | magnesia clinker/ magnesite clinker |
マグネシア・クロム質耐火物 | まぐねしあ・くろむしつたいかぶつ | マグネシアクリンカーとクロム鉱石を主原料としたMgO 50mass%以上の塩基性耐火物。マグクロ質耐火物とも呼ばれる。セメントロータリーキルン用や製鋼用のVOD鍋,RH真空脱ガス炉,AOD炉などに用いられる。MgOが50mass%未満のものはクロム・マグネシア質又はクロマグ質耐火物ともいう。 | magnesia-chrome refractories/magnesite-chrome refractories |
マグネシア質耐火物 | まぐねしあしつたいかぶつ | マグネシアクリンカーを主原料とした代表的な塩基性耐火物。定形としては焼成品と不焼成品があり,主に製鋼炉,ガラスタンク窯蓄熱室チェッカーに利用され,不定形耐火物としては転炉の熱間吹付け補修材,電気炉炉床スタンプ材などがある。 | magnesia refractories |
マグネシア・スピネル質耐火物 | まぐねしあ・すぴねるしつたいかぶつ | マグネシアに電融又は焼成して製造したマグネシア系スピネル(一般的にはMgO・Al2O3)を組み合せた耐火物。主にセメントロータリーキルン用でクロムフリー材質として使用が拡大傾向にある。 | magnesia -spinel refractories |
マグネシア・ドロマイト質耐火物 | まぐねしあ・どろまいとしつたいかぶつ | 合成マグドロクリンカー,又はマグネシアクリンカーとドロマイトクリンカーを主原料とした耐火物。 マグドロれんがとと呼ばれることが多い。 二次精錬炉,セメントキルンなどに用いられる。 | magnesia-dolomiterefractories/ magnesite-dolomite refractories |
マグネシオフェライト | まぐねしおふぇらいと | マグネシアと酸化鉄(III)からなるスピネル型鉱物(MgO・Fe2O3)。 マグネシアクリンカー中に不純物として存在する。 |
magnesioferrite |
曲げ強さ | まげつよさ | 固体材料が曲げ荷重を受けるときの耐えうる応力の限界値のことで,曲げ強さ試験における材料破壊時の最大曲げ応力として求める。 単位は主にMPa又はN/mm2。 | modulus of rupture/ cross-bending strength/ transverse strength/ flexural strength |
曲げ強さ試験 | まげつよさしけん | 材料の機械的強さの一つである曲げ強さを測定する破壊試験。単に曲げ試験ともいう。荷重の掛け方で3点曲げ法と4点曲げ法がある。耐火物では3点曲げ試験法がJISに規定されている。 | bending strength test/ bending test |
まさ積み | まさづみ | たて積みの一種で,小口(最小面、並形では114×65mmの面)を上下に据え,長手(並形では230×65mmの面)が正面に現れる煉瓦積みのこと。→たて積み | soldier course |
マッシュルーム | まっしゅるーむ | 転炉底吹羽口周囲に形成される酸素及び冷却ガスの通気孔を有する適当サイズの凝固鉄。これが羽口周りの耐火物の保護層となる。 | mushroom |
マット | まっと | 銅精鉱を溶剤(珪石等)と一緒に加熱溶解して生成させる。銅が濃縮された複合硫化物のことで,カワとも呼ばれる。これを転炉で脱硫して粗銅を得る。 | matte |
マッドガン | まっどがん | 高炉の出銑口にマッド材を充填して出銑を停止させるための装置。 | mud gun |
マッド材 | まっどざい | 高炉出銑口の閉塞用材料。 結合材からタール系とレジン系に大別される。→出銑口閉塞材 | taphole mix/ taphole clay/ taphole mud |
マッフル | まっふる | 燃焼ガスや火炎を直接被熱物に接触させないため炉内に設けた耐熱金属製又は薄い耐火物の隔壁。 | muffle |
マッフル窯/マッフル炉 | まっふるがま/まっふるろ | 被熱処理物を特定の雰囲気中で処理する場合,大気又は燃焼生成ガスから遮断して加熱・冷却を行うためにマッフルを使用する炉をいう。 | muffle furnace |
マトリックス | まとりっくす | 耐火物の組織を表現する用語で,骨材の周囲の微粉や結合材からなる連続した結合相。→ボンド | matrix |
摩耗 | まもう | 炉内の物体との接触により,耐火物が物理的に擦り減ったり削られたりする損傷のこと。耐火物では試験法がJIS R 2252に規定されている。 | abrasion |
マラーミキサー | まらーみきさー | 撹拌ローラー(マラー)が皿型容器(パン)の底に接触しないように吊り下げられている混練機。このためにパンに入れた混練物は,それ以上粉砕されることなく混合される。 | muller mixer |
マランゴニ効果 | まらんごにこうか | 耐火物の成分がスラグ等の溶融物中に溶解すると,その成分の濃度差により溶融物の表面張力(界面張力)に勾配が生じ,耐火物との界面付近で溶融物に強い対流(マランゴニ対流)が発生する現象のこと。マランゴニ対流は耐火物に局所的な損耗を起こす。 | marangoni effect |
マンホール | まんほーる | 炉内の点検,補修時などに人が出入りするための炉の開口部。 | manhole |
見掛気孔率 | みかけきこうりつ | 開口気孔容積の外形容積に対する百分率。耐火煉瓦については測定方法がJIS R2205に規定されている。 | apparent porosity |
見掛比重 | みかけひじゅう | 材料の質量を,その見掛容積と同じ容積を持つ4℃の水の質量で割った値。耐火煉瓦については測定方法がJIS R 2205に規定されている。 | apparent specific gravity |
見掛容積 | みかけようせき | 密閉気孔を含んだ材料の容積。 | apparent volume |
ミキサー | みきさー | 1) 原料や製品を乾式又は湿式で均一に混合,混練する機器。 2)→混銑炉 |
mixer |
水糸 | みずいと | 煉瓦積みを正確な場所に,正確なレベル(高さ)で,正確な寸法に行うために張る糸で,この糸に煉瓦のりょう,あるいは面を合せて積む。 | level line string |
水ガラス | みずがらす | 珪酸アルカリ塩の濃厚水溶液。一般的には珪酸ナトリウムの水溶液を指すことが多く,SiO2/Na2Oモル比 2~4で,JIS K1408に規定されている。耐火物のバインダーの一種。 | water glass |
水盛り | みずもり | 水槽とゴム管とガラス管から成る水平に水糸を張るためのレベル出し器具。→水糸 | water level |
水養生 | みずようじょう | キャスタブル耐火物硬化時の発熱反応による水分の逸散を防止するため,施工面に散水したり,濡れむしろをかぶせたりすること。 | water curing |
ミックス | みっくす | 1) 製品を作るための原料混合物。2) 不定形耐火物製品。 | mix |
密度 | みつど | 単位容積当りの物質の質量。 | density |
密封気孔 | みっぷうきこう | →密閉気孔 | closed pore |
密閉気孔 | みっぺいきこう | 材料中に孤立して存在し,外部とつながっていな気孔。密封気孔,閉気孔ともいう。⇔開気孔 | closed pore |
密閉気孔率 | みっぺいきこうりつ | 密閉気孔容積のかさ容積に対する百分率。 | closed porosity/ sealed porosity |
ミルスケール | みるすけーる | 高温の鋼片の表面に生じるFeO主体の酸化鉄の被膜。溶銑の脱珪剤や侵食試験に用いられる。スケールとも呼ばれる。 →溶銑予備処理 | mill scale |
迎えとろ | むかえとろ | 壁積みの最後のおさめ煉瓦やアーチの攻め煉瓦を挿入するとき,既に積まれた煉瓦にもあらかじめモルタルを塗っておくこと。 | buttered joint (mortar) |
無機質繊維 | むきしつせんい | 天然品の石綿,人工品のガラス繊維,スラグウール,セラミック繊維など無機材質繊維の総称。 断熱材のほかシール材,建材,複合材料の強化材として利用されている。 | inorganic fiber |
むくり | むくり | めくれて反ること。→迫り上がり | arch rise |
ムライト | むらいと | Al2O3-SiO2系の安定的固溶体鉱物。通常は化学組成 3Al2O3・2SiO2を指すことが多い。粘土質原料やシリマナイト族鉱物の焼成で生成し,Al2O3-SiO2系耐火物や陶磁器の構成鉱物として重要である。また合成ムライトを耐火物原料とする。 | mullite |
ムライト質耐火物 | むらいとしつたいかぶつ | ムライトを主構成鉱物とした高アルミナ質耐火物。熱膨張が比較的小さく,耐スポーリング性に優れる。 | mullite refractories |
目荒らし | めあらし | キャスタブル耐火物やプラスチック耐火物などを2回以上に分けて打ち継ぎ施工する際,継目を無くすため先に施工した材料の境界面をフォーク状の工具で引っかいて荒らすこと。 →打ち継ぎ | blocking chisel |
目地 | めじ | 煉瓦積み施工時の煉瓦と煉瓦の接合部分のこと。通常耐火モルタルで充填接合する。 | joint |
目地押し | めじおし | 積み終わった耐火煉瓦積みの目地を目地ごてで押え,あるいはモルタルの不足している場合は補填することをいう。 | joint shoving |
目地ごて | めじごて | 目地押しに用いる,幅3ミリ程度の細長いこて。 | jointer |
目地代 | めじしろ | 煉瓦積みにおける隣り合う煉瓦と煉瓦の間の寸法。モルタルが入る空間でもある。 | jointing space |
目地モルタル | めじもるたる | 煉瓦を積む場合の煉瓦と煉瓦を接合する目地材料で,通常耐火モルタルが使用される。 →耐火モルタル | jointing mortar/ jointing material/jointing cement |
メタカオリン | めたかおりん | カオリナイトなどのカオリン鉱物を500-600℃で脱水した無水物。 | metakaoline |
メタルクラッド/メタルケース | めたるくらっど/めたるけーす | 塩基性不焼成煉瓦の表面を鋼板で被覆したもので,低温時の強度補強や高温時溶融して煉瓦間の接合をよくするために行う。スチールクラッドともいう。 | metal clad / steel-clad |
メタルライン(樋) | めたるらいん(とい) | 高炉の出銑樋で溶融金属により損耗する部位のこと。 | metal line(trough) |
モノリシック耐火物 | ものりしっくたいかぶつ | 目地,継ぎ目のない一体構造となる耐火物の意味で,不定形耐火物を指す。→不定形耐火物 | monolithic refractories |
桃ごて | ももごて | 煉瓦ごての一種。→煉瓦ごて | trowel |
モルタル | もるたる | 耐火モルタルの略称で,煉瓦を積む場合の煉瓦と煉瓦を接合する目地材料。 →耐火モルタル | mortar |
モルタル注入 | もるたるちゅうにゅう | 耐火物と鉄皮の間隙や耐火物の間隙にモルタル状の耐火物を圧入すること。 | injection of mortar |
モールドパウダー | もーるどぱうだー | 連続鋳造で凝固シェルと鋳型間の潤滑,抜熱制御などの目的で用いられる無機粉末。鋳型内の溶湯表面に散布後溶融し,シェル-鋳型間に流入する。フラックス,パウダーとも呼ばれる。 | mold powder / mold flux |
モンチセライト | もんちせらいと | CaO・MgO・SiO2の化学式で表されるオルト珪酸塩。マグネシア質耐火物,ドロマイト質耐火物やMgO含有スラグ中に生成する。 | monticellite |
モンモリロナイト | もんもりろないと | Al4Si8O20(OH)4・nH2Oの化学式で表され,一般にAlの一部がMg,Feで置換されたスメクタイト族に属する粘土鉱物で,ベントナイトの主構成鉱物。 | montmorillonite |