用語 |
読み方 |
意 味 |
対応英語 |
ダイアスポア |
だいあすぽあ |
アルミナ1水和物の一つ。この鉱物を主成分とする岩石の名前として使用されることもある。化学式でAlO(OH)又はα-Al2O3・H2Oで表示され,べーマイトとは同質異像。 |
diaspore |
耐火材料 |
たいかざいりょう |
耐火物及び建築用そのほかの耐熱性材料。 |
refractories/ fire proof materials |
耐火断熱煉瓦 |
たいかだんねつれんが |
耐火煉瓦に比べ軽量で熱伝導率が低い煉瓦。種類には粘土質,珪酸質,珪藻土質,高アルミナ質耐火断熱煉瓦等がある。一般的なものはJIS R2611で規定されている。 |
insulating firebrick |
耐火度 |
たいかど |
昇温中に耐火物が軟化変形を起こす温度を表す指標。その耐火物に最も近い軟化変形をする標準コーンの番号で表示される。試験方法はJIS R2204で規定されている。 →標準コーン |
refractoriness |
耐火粘土 |
たいかねんど |
耐火度SK26以上の粘土の総称。珪酸質,アルミナ質及び水分を主成分として,若干の鉄分そのほかの不純成分を含んでいる。焼成すれば400~600℃で脱水し,1000℃以上になるとムライトとクリストバライトに変化する。 |
fireclay |
耐火物 |
たいかぶつ |
高温度に耐え,化学的に安定な非金属無機物質,又はその製品の総称。形態としては定形(煉瓦)と不定形(粉粒体状と練土状)がある。材質的には酸化物系が多いが,これに炭素や炭化珪素などの非酸化物を複合化させた製品も多い。炭化珪素,窒化珪素,ほう化物など非酸化物主体の製品もある。 |
refractories |
耐火モルタル |
たいかもるたる |
耐火煉瓦を積む際に各煉瓦間の接合のために使用される泥状の耐火物,通常煉瓦とほぼ同材質の耐火物粉末に可塑性を与えるため粘土を加えた粉末で現場で水と混練して使用されることが多い。最近ではカーボン系煉瓦用途に有機樹脂を使用したものもある。 |
refractory mortar/ refractory cement |
耐火煉瓦 |
たいかれんが |
窯炉そのほか高温で使用する設備に適する種々の形を持った耐火物。ただしプレキャストブロック(不定形耐火物を工場であらかじめ成形した耐火物)は含まない。→ プレキャストブロック |
refractory brick |
耐酸キャスタブル耐火物 |
たいさんきゃすたぶるたいかぶつ |
珪酸塩そのほか耐酸性のボンドを用いたキャスタブルの1種で,耐酸性を有し,煙突などの内張りなどに用いられる。 |
acid-resistant castable refractories |
耐食性 |
たいしょくせい |
耐火物などの材料の侵食にたいする抵抗性。耐火物では一般に,回転侵食試験法,誘導炉内張り侵食試験法や,るつぼ侵食試験法などによって試験される。 |
corrosion resistance |
タイボルト |
たいぼると |
→タイロッド |
tie bolt |
タイヤ |
たいや |
1)ロータリーキルンを支えるためのローラーに接するキルン外周部の鋼製の輪。2)パンミルの粉砕用ローラー。 |
tire (tyre) |
ダイヤモンドペースト |
だいやもんどぺーすと |
微粒のダイヤモンドを配合したペースト状の研磨材。鏡面,高精度加工面を得るために用いられる。 |
diamond paste |
ダイラタンシー |
だいらたんしー |
低セメントキャスタブルで使用されるアルミナ微粉などの濃厚サスペンジョンで,せん断速度(撹拌速度)が増加するにつれて見掛け粘度の増加する現象。体積ダイラタンシーと区別して,流動ダイラタンシーとも呼ぶ。ミキサーや施工時のトラブルの要因のひとつ。 |
dilatancy |
タイル(耐火物の) |
たいる |
耐火物業界では厚さが薄く大きな形状のもので,最大面は正方形あるいは長方形で,長さは並形とあまり変わらないものをいう。 |
tile |
ダイレクトボンド煉瓦 |
だいれくとぼんどれんが |
シリケート成分の少ない塩基性高耐火性粒子(マグネシア,マグクロクリンカー,スピネル等)がシリケートを介さずに互いに直接結合した組織をもつ煉瓦。特に,マグクロ煉瓦でペリクレース,スピネル等が相互に結合した耐火物。 |
direct-bonded refractories |
タイロッド |
たいろっど |
工業炉においてアーチ式天井の迫り煉瓦,又は側壁,炉床耐火物などの熱膨張による迫り圧や側圧を支持するための引っ張り棒(締め金具の一種)。タイボルトともいう。 |
tie rod |
抱き煉瓦 |
だきれんが |
アーチ煉瓦積みを両側で支えている煉瓦。アーチ受け,迫り受けともいう。 |
skewback brick |
濁度計 |
だくどけい |
粉体と反応しない液体中に粉体を懸濁させて,その濁り度から粉体の粒度を測定する装置。 |
turbidimeter |
多孔質炭素 |
たこうしつたんそ |
均一な気孔径をもった気孔率が50mass%以上の炭素材料。ガス拡散電極に使用される炭素,活性炭なども多孔質炭素の一種。 |
porous carbon |
ダスティング |
だすてぃんぐ |
結晶転移や相変化の際に体積膨張を伴って,亀裂を生じたり,著しい時には粉末化することをいう。セメントクリンカー中のCa2SiO4のβ相が徐冷によってγ相に転移する際などに起こる例が良く知られている。 |
dusting |
脱気 |
だっき |
真空吸引や減圧等により,材料中の空気を除去すること。 |
de-airing |
脱型 |
だっけい |
一般的には成形において,型から成形体を取り出す操作をいうが,狭い意味には陶磁器の製造工程でせっこう型を用いて成形した器物を型から外すこと。 |
demolding |
脱着帯 |
だっちゃくたい |
→ コーティング脱着帯 |
transition zone |
たて |
たて |
例えば倒炎式の窯炉において燃焼する炎が直接に被焼成物に触れないようにするための火囲い。火たてともいう。→倒炎式炉,マッフル |
bag wall |
縦おち煉瓦 |
たておちれんが |
→縦迫り煉瓦 |
wedge brick |
縦迫り煉瓦 |
たてぜりれんが |
くさび形の異形煉瓦でひら面(最大面,並形では230×114mmの面)が長さ方向に2面とも等分の角度で傾斜し,狭まっている形状の煉瓦。→迫り煉瓦 |
wedge brick/ end arch brick |
たて積み(立積み/縦積み) |
たてづみ |
煉瓦の小口面(最小面,並形では114×65mmの面)を上下に据える積み方。長手面(並形では230×65mmの面)が正面に現れるのを,まさ(たて)積み,ひら面(最大面,並形では230×114mmの面)が正面に現れるのをたて平張付け積みという。 |
soldier course /shiner course |
棚板 |
たないた |
窯詰用(陶器,磁器,セラミックス焼結体等)に使用する耐火物板で,焼成温度,焼成雰囲気等により材質を選び,ムライト質,コーディエライト質,ムライト・コーディエライト質,炭化珪素質,再結晶炭化珪素質等の棚板がある。 |
refractory slab/ shelf plate |
棚式乾燥炉 |
たなしきかんそうろ |
乾燥機の一種。ほかに室式,トンネル式,回転式などがある。 |
rack dryer |
たねがわら(種瓦) |
たねがわら |
ガラス槽窯の下部構造を構成するために使用される煉瓦。 |
tank block |
ダブルスタンダード |
だぶるすたんだーど |
直方体の煉瓦で長さと厚さは並形と同じであるが巾が2倍のもの。(注:この用語は英国では使わない) |
double-standard |
ダム用煉瓦 |
だむようれんが |
被焼成物を滞留させて焼成効果を上げるためにロータリーキルンの内面にリング状に突出させた煉瓦。 |
dam brick |
タール(ピッチ)含浸煉瓦 |
たーる(ぴっち)がんしんれんが |
煉瓦の耐消化性及び耐食性を高めるためタール又はピッチを含浸した煉瓦。タール,ピッチの取り扱い上の規制により,環境,設備面での配慮が必要であり,最近使用量が減少している。 |
tar/ pitch-impregnated brick |
タールドロマイト煉瓦 |
たーるどろまいとれんが |
ドロマイトクリンカーとマグネシアクリンカーにコールタールを添加し混練・成形後,300~400℃でベーキングした初期の転炉用煉瓦。最近はMgO-C煉瓦にとって代わられている。 |
tar-bonded dolomite brick |
炭化珪素 |
たんかけいそ |
化学式SiCを有する合成鉱物。工業的には,珪砂と黒鉛(オイルコークス,木炭,石炭等)を直接通電による加熱(アチソン法)で製造する方法が一般的で,α-SiCになる。シリカ又はSiCとCの反応で製造する方法は,β-SiCを製造する。用途は耐火物用原料,研削砥粒用及び焼結体の原料として使用される。 |
silicon carbide |
炭化ほう素 |
たんかほうそ |
化学式B4Cを有する合成鉱物。工業的には,ほう酸と炭素(カーボンブラック等)を電気炉で焼成して製造する。用途は耐火物用では酸化防止剤だが,一般的には研削砥粒,焼結体原料及び原子力用で中性子遮蔽材として使用される。 |
boron carbide |
タンク(槽)窯 |
たんく(そう)がま |
ガラスの連続的な溶融・清澄を目的とするガラス工業炉。ガラス槽窯のこと。 |
tank furnace |
タンクブロック |
たんくぶろっく |
ガラス槽窯の下部の構築に使用される大型煉瓦。 |
tank block |
弾性係数 |
だんせいけいすう |
弾性率をそのまま弾性係数と言うこともある。また方向によって性質が異なる異方性物質にフックの法則を拡張したときの式,(応力)i = ΣCij ×(歪)j の係数 Cij をいう。 |
elastic coefficient |
弾性率 |
だんせいりつ |
弾性限界(弾性範囲)内では物体の変形量(ひずみ)と応力とは比例し,このときの比例定数を弾性率という。特に一方向の引っ張り/圧縮応力における弾性率をヤング率という。→ヤング率 |
modulus of elasticity / Young's modulus |
炭素繊維 |
たんそせんい |
→カーボンファイバー |
carbon fiber |
炭素煉瓦 |
たんそれんが |
→カーボンブロック |
carbon block |
タンディッシュ |
たんでぃっしゅ |
連続鋳造における,取鍋?鋳型間で溶鋼を一時滞留させるための容器。溶鋼中の介在物を浮上させ除去する機能も有する。→介在物 |
tundish |
単独窯 |
たんどくがま |
バッチ単位で焼成処理する窯の総称。 |
periodic kiln |
段逃げ |
だんにげ |
炉壁の煉瓦積みにおいて,部分的に高く積む場合の方式。段逃げ控え積み,歯型(差込み)逃げなどがある。 |
stair joint |
断熱耐火物 |
だんねつたいかぶつ |
低い熱伝導率を持つ耐火物の総称。 |
insulating refractories |
ダンパー |
だんぱー |
各種炉設備において,ガスダクト及び燃焼用空気や冷却空気ダクトなどのように,比較的低圧,かつ大径の配管並びに煙道などで流動気体の通風(流量)調節用として使用する弁をいう。 |
damper |
タンピングマシン |
たんぴんぐましん |
しら地を成形するのに使用される機械。型の上部板を繰り返し打撃することにより材料を圧縮するハンマーを有する。 |
tamping machine |
段割り定規 |
だんわりじょうぎ |
煉瓦積みの高さ方向の割付けをするための定規。 |
division rule |
チェッカー積み |
ちぇっかーつみ |
→格子積み |
checker brick work/ checker lining |
チェッカー煉瓦 |
ちぇっかーれんが |
蓄熱室の格子積みに使用される長方形の煉瓦又は熱風炉の蓄熱用に使用される穴あき煉瓦。 |
checker brick |
遅延剤 |
ちえんざい |
セメントペーストやセメントを含む耐火物の硬化を遅らせる添加剤。 |
retardant |
チキソトロピー/チクソトロピー |
ちきそとろぴー/ちくそとろぴー |
多くの超微粉サスペンジョンは,一定のせん断(撹拌)速度下で,時間と共に粘性が低下,撹拌を止めると,徐々に粘性が回復増大する。このとき上昇,下降曲線のずれの大きいものほどチキソトロピー性が大きいと評価することもある。この特性は,加振鋳込みに利用される。 |
thixotropy |
蓄熱室 |
ちくねつしつ |
断続的な熱交換器で,交互に燃焼生成物からの熱を受けたり流れてくる空気やガスに熱を与える設備。 |
regenerator |
築炉 |
ちくろ |
耐火物で工業炉を築造し,また補修すること。 |
furnace installation/ furnace building |
チス(たがね) |
ちす |
1)施工現場で煉瓦加工後に断面の凸部を削りとることなどに使う工具。2)解体機(ブレーカー)の先端に取り付けられ対象物を打撃するための部材。 |
chisel |
チタン酸アルミニウム |
ちたんさんあるみにうむ |
Al2TiO5で示される高耐熱低膨張性化合物。 |
aluminium titanate |
窒化珪素 |
ちっかけいそ |
化学式はSi3N4で,合成鉱物。製造法は金属窒化法,気相合成法,液相界面反応法,高純度シリカ還元窒化法などがあり,現在金属窒化法と液相界面反応法が主流になっている。原料は金属珪素及び窒素。セラミックスの原料。 |
silicon nitride |
窒化珪素ボンド煉瓦 |
ちっかけいそぼんどれんが |
一般的には,窒化珪素結合炭化珪素煉瓦をいう。高炉シャフト部に用いられる。 |
silicon nitride-bonded brick |
窒化ほう素 |
ちっかほうそ |
BNの化学式で表される合成鉱物で電気絶縁性を除けば炭素に類似した性質をもつ。BNには低圧相として六方晶系BN(h-BN)と菱面体晶系BN(γ-BN)が,高圧相として立方晶系閃亜鉛鉱型BN(c-BN)と六方晶系ウルツ鉱型BN(ω-BN)がある。→六方晶窒化ほう素,立方晶窒化ほう素 |
boron nitride |
チッピングハンマー |
ちっぴんぐはんまー |
先端をたがねのように薄くした高硬度鋼製煉瓦研削加工用ハンマー。通常,エアー式の小型のものが多く使用されるが,電動機に取り付けられたものもある。 |
chipping hammer |
千鳥積み |
ちどりづみ |
上段と下段の煉瓦を互いに半分ずらして縦目地を千鳥状にする煉瓦積みのこと。半枚継ぎともいう。 →つなぎ積み |
breaking joint |
チャイナクレーカオリン |
ちゃいなくれーかおりん |
比較的大きな結晶のカオリナイトからなる粘土。可塑性はあまり大きくなく,焼成品は白い。堆積鉱床は現地精製(一次粘土)あるいはほかの場所で精製(二次粘土)される。粘土にならない母岩の破片を含んだチャイナクレー岩と精製したチャイナクレーの区別がある。 |
china clay |
チャート |
ちゃーと |
95mass%以上がSiO2である緻密な堆積岩。 |
chert |
チャンネル |
ちゃんねる |
ガラス槽窯のフォアハースの溶融ガラスが流れる溝型のブロック。 |
channel |
チャンネル工法 |
ちゃんねるこうほう |
キルンに施工したライニングの一部分を鋼材で挟みつけて固定しこれを起点として煉瓦を施工する方法。 |
channel installation method |
中性耐火物 |
ちゅうせいたいかぶつ |
酸性及び塩基性に属さない耐火物。一般には高アルミナ質,炭素質,炭化珪素質,クロム質等をいう。 |
neutral refractories |
チューブミル |
ちゅーぶみる |
広義のボールミルの一種であり,径に対して長さの充分に長い円筒形の駆体を有している。 |
tube mill |
長石 |
ちょうせき |
アルカリ金属及びアルカリ土類金属のアルミノ珪酸塩からなる鉱物群。 |
felspar/ feldspar |
稠度 |
ちょうど |
流動性(粘性),可塑性などモルタルの作業性の度合。 |
consistency |
沈降分離 |
ちんこうぶんり |
媒液中に粒子を分散させ,一定時間静止させたのち,沈降槽上部の微粒部分と下部の粗粒を分離させる操作。 |
separation by sedimentation |